学習する家族-Learning Family-

量産型ワーキングファザーの備忘録

僕たちは人生という書物を綴っている(瀧本哲史さん著「読書は格闘技」によせて)

こんにちは、「学習する家族」みったです。
 
 
瀧本哲史さん「読書は格闘技」という書籍を読みました。
 

 

読書は格闘技

読書は格闘技

  • 作者:瀧本 哲史
  • 発売日: 2016/04/26
  • メディア: 単行本
 

 

 
一番心に響いたメッセージは序章にある「読書は格闘技」であるという主張、そして本の最後段にあるこちらである
 
実のところ、読書を通じて、知識が増えて、それが何らかの判断に役立ち、行動の変化が起きたときに、最も読書の価値が生じたと言えるだろう。
その時初めて、読書が「世界という書物を直接読破」する旅の地図となるだろう。
 
 
序章の文章はこちら
書籍を読むとは単に受動的に読むのではなく、著者が語っていることに対して「本当にそうなのか」と疑い反証する中で自分の考えを作っていくという知的プロセスでもあるのだ。
 
本著はあるテーマについて全く異なるアプローチで作品化した
2冊の本が戦うという構成になっている。
著者はその闘いのレフェリーだ。
 
扱っているテーマは組織論から文学まで多岐に渡る、
対象となる本も学術的な書籍から絵本まで多様だ。
ブックガイドとして読んでも楽しめる1冊である
 
 
瀧本さんといえば「僕は君たちに武器を配りたい」から始まる「武器」シリーズが有名であるが大学教授でもある彼がどういった思いで著述を続けてきたかが胸に迫る。
 
大変残念なことに瀧本さんは2019年8月10日惜しまれながらも逝去された。
 
書籍を通してでも彼の人生にこうして触れることができることに
喜びを感じるとともにアップデートされたその思考に触れることができないことに改めて悲しみを禁じ得ない。
 
私のような一時期かぶれて本を読んでいただけの一読者の人生にも彼の思考や思想は、取り込まれその一部になっている。
 
大切な人、忘れえぬ人を見送りながらそれでも僕たちの人生の執筆は続く。
 
 
最後に、瀧本さんの旧友である武井 涼子 さんが執筆された
惜別の文章を紹介したい。
 
たくさんの贈り物を残してこの世を去りたいものである。
合掌。